第5回 木村光範氏 広くて深いスペシャリティーで感動品質を想像するコンピューターの特殊部隊。

先入観にとらわれず真に最適な解を示し、お客様と社会に感動を与える。(3)

「広くて深いスペシャリティで感動品質を創造する」

岡本

 橋本さん、木村さんの会社で働かれているのはどのような方で、その中でおふたりはどのような位置づけでいらっしゃるのですか?

 

橋本

 不思議な縁ですよね。不思議なつながりがあるなって思いますね。社長は実はえらくないんだ!と考えていまして、社長はシステムの一部分と考えています。1人で全部できる人はいいのですが、営業が得意であったり、財務会計が得意だったりと、それぞれ、会社の中で役割というのがあって、社長も同じように1つの会社の中の役割、機能をどう実現するかというのが究極の形かなと思いながらやっています。

 

木村

 たぶん僕も橋本さんも、目指すところがすごく近くて、ものすごい広くて、ものすごい深いところなのですね。弊社のスローガンは「広くて深いスペシャリティで感動品質を創造する」といいます。この「広くて深い」を、僕も橋本さんも狙っているんですね。でも「広くて深い」を実現するには、1人では絶対できなくて、多くの人々の助けが必要なんですよね。だから、僕も橋本さんもすごくたくさん会社の人にいっぱい助けてもらっています。だから、会社で働いている人はすごく信頼できる人たちばかりだし、僕も信頼しています。橋本さんもしっかりと会社で働いている人たちに任せていますよね。それができるからこそ、僕も橋本さんも、安心して、5年後、10年後のビジョンをお互いに語り合えるんですよね。我々はそれをしないといけないし、そういうことをする人がいないと、会社っていうのはいつの間にか衰退していってしまうんですね。

 

岡本

 差し支えなければ、そのビジョンがどのようなものなのか教えていただけますか?

 

橋本

 私のビジョン、仕事の基本線は、「テクノロジー」です。研究開発を事業化できずに苦労している大学の先生や、ベンチャーの社長が周囲にたくさんいらっしゃいました。技術だけではなかなかうまく成り立たないんですよね。それで、私は彼らのマネージャーのような役割をしているんですが、もちろん私だけで、プロジェクト全部がまわるわけではないのですが、営業から企画、ネットワークを生かして交渉して、仲間を増やして、事業がどんどん出来上がり、ベンチャー企業などが立ち上がってきています。後にはノーベル賞とかでたらうれしいんですけどね(笑)。そして、成功事例がどんどん出来上がって、お金が還流する仕組みが早く出来るとちょっとは楽が出来るかな(笑)。今は、そんなマネージメント系をいろいろと手がけています。

 

岡本

 なるほど。木村さんの会社の方は、より「テクノロジー」に重きをおいていらっしゃると思うのですが、どうでしょうか?

 

木村

 そうですね、僕の会社は技術が主体でエンジニアが多い会社なんですけれど、僕のビジョンと橋本さんのビジョンはすごく近いんですね。「僕の5年後、10年後はどういうビジョン?」というので、いつも申し上げているのですが、技術者や職人と呼ばれる人たちが、安心して研究開発が出来て、その能力が正当に評価される世の中を作っていかなければと強く思っているんですよね。やはり、そういうところでなければ、イノベーションは起こらないと思いますし、革新的なことを行っていくことで、世の中の仕組みを変えていくことができると思うんですよね。変えていくことが本当に正しいかはわからないけれど、僕の持論としては、本当に最適なものを提供していくことが本当に大事なことだと思っているんですよ。先入観や思い込みにとらわれず、最適なエンジニアリングをみんなが行っていかなくてはいけない。そのためには、無鉄砲ではない範囲で失敗を恐れず挑戦することが必要だと思います。そしてそういう挑戦をできるような国の施策を引き出していくことも大事だと思います。お金の心配に追われずにある程度失敗を恐れない挑戦ができ、きちんと能力を磨いていける仕組み、すなわち、世界中の挑戦するみんなが幸せになるためのシステムを作りたいと僕は思っているんです。それが僕の大きなビジョンですね。

 

岡本

 技術者の方が能力を出しやすくするために、どのような環境づくりをなさっているのですか?

 

木村

 僕らの会社で1番大切なことは否定しないことだと思っています。我が社は、長所を伸ばす会社ですので、方向性を曲げないで働いてもらいます。みんながやりたい方向はバラバラですが、いろんな広い方向に向かっているので、我が社は30人くらいしかいないのですが、コンピューターのテクノロジーの分野でカバーできない分野がほとんど無いのが特長です。お互いのスペシャリティを否定せずに尊重しあうことが大切ですね。 

岡本

 先ほど、システムの話も出ましたけれど、いいシステム屋とはお客様から上がってきたニーズをそっくりそのままを返すことではないと感じています。お客様のニーズは形になっていそうですが、本当は形など無いのです。橋本さんのように多彩な情報網がある方はこの点、大変有利であると思うのです。市場調査や効率分析など見えているようで明確に見えていなかった部分(+α)をコンサルティングしてあげること、そこからお客様の真のニーズを理解してあげること、理想に一歩でも歩み寄ったフィードバックが出来るか。これが大切なことであると思います。


木村

 お客さんの求めていることは、山の頂上に上って欲しいということなんですよ。でも必ずお客さんって、ちょっと道が見えていると、あの道を行けば頂上へいけるから、そこへ行ってよ。とおっしゃるんですよね。でも、プロから見ると、その道は行かないことが多いのです。お客さんは、頂上に行ったときのスペシャリストだけれど、山登りのスペシャリストではないので、山登りの過程については、プロがこれはこっちのほうが良いですよ、と言うことが大切なのでしょうね。

 

岡本

 私もお客様にご提案するときには、あくまでシステムであるので、受け入れ方のご説明を加えます。現状から譲れるところと譲れないところという意味です。

 

木村

 そうなんですよね。システムの担当者に聞くと、譲れないところだらけなのですが、実は、経営者に聞くと譲れないところってほとんどないんですよね(笑)ですから、必ず経営者に聞かないとだめなんですよ。本質を見抜く力が大切!僕の会社も橋本さんの会社も本質を見抜くことを仕事にして、生業にしているんだと思います。

 

岡本

 このお客様とのステイタスの中で、お客様より自分の方がその分野や業務に関して詳しくなっていることってありますよね?

 

橋本

 ありますね。とくに、経営サイドからの話が出来るので、似ているようで似ていない、だからコラボが出来るんですね。

 

岡本

 木村さんと橋本さんにとって、お互いはどんな存在なのですか?

 

橋本

 家族より会っている時間が多かったりしますね(笑)

 

木村

 橋本さんは「人間Google」といわれているくらいですから、とても人脈が広く、すごく勉強になります。橋本さんは、当たり前のことを当たり前にこなすことを実現なさっていて、とても尊敬しています。頭ではわかっていたことを、きちんと、僕より高いレベルで実現なさっているなぁって思って、年は橋本さんのほうが上なのですが、僕も負けられないなって思うところもあるんですよね。例えば、橋本さんがメールを5分で返したら、僕は3分で返したいです(笑)メールはすぐに返したほうが良いよね、という当たり前のことを僕と橋本さんで共有していって、それを学生さんに伝えて、「初めて知りました!」と、学生さんに言ってもらえるような、気づきを与えられるといいなと思います。

 

橋本

 ところで岡本さんは、かばん持ちインターンや異業種交流会、ビジネスディスカッションなど我が社のインターンシップに参加された経験がありますが、いかがでしたか?

 

岡本

 参加して思ったのは、橋本さんが開催する場にいらっしゃっている方々は、年齢とかお仕事とかみなさんばらばらですけれど、共通しているところがあるなぁと感じるところがあります。それが何かは、うまく言えないのですが、「力を出してがんばって働く!」という思いでしょうか、そういった思いを持っていらっしゃる方々が、一堂に会する場を橋本さんがセッティングしてくださっているのだと感じました。

 

木村

 僕も、これだけいろんな業種の人ときちんと話ができるというのは素晴らしいことだと思います。 プライベートも仕事も徹底的に混同させる。橋本さんのように、ここまではなかなか徹底できないですよね。

 

 

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