第3回 木田聖子氏 保育ビジネスには、保護者・保育士・経営者、3つの視点が必要。夢を追い続ける!ベンチャー・ドリーマーが語る(2)

時代が求める女性の労働力に、需要高まる企業内保育

―――木田さんがお考えになる、お子さんやおかあさん方に喜んでもらえる保育とは、どんなことでしょう? チャイルドハートではそれをどのような形で実現しているのでしょう?

 

 

木田

そうですね、子どもたちの安心や安全、保護者のみなさんへの情報開示を大切にした質の高い保育サービス、ということになります。


株式会社フューチャーラボラトリ

代表取締役社長

橋本 昌隆


 保育をビジネスとして進める上で、サービスを提供する側と受ける側、双方の視点が不可欠だと思うのです。つまり、“顧客である母の視点”、“社員である保育士の視点”を持ち、さらにもうひとつ、“経営者の視点”を持つことです。子どもたちのために何ができるかが重要だと思います。

 

 また、現場の生の声を日々の保育の中に取り入れ、常に進化していける保育サービスを行っていくことが大切なんです。具体的には、施設のハード面では、全面ガラス張りで中が見渡せる内装にしたり、離れた場所から子どもの今を見ていただけるウェブカメラなど、さまざまな工夫を重ねています。また、子どもには画一的な集団生活ではなく、一人ひとりの個性を活かした教育が実践できるように心がけています。

 

 自分の子どもを預けたくなる、自分の子どもにさせてみたい、と自分自身が望むようなサービスを提供する、これがチャイルドハート保育サロンの原点なんです。

 

―――なるほど、自分の子どもにさせてみたいですか。これは重要な視点ですね。では、そうしたサービスを提供しているチャイルドハートのビジネス展開の現況についてお聞かせください。

 

木田

 現在、直営する保育サロンが舞子と加古川に二園あります。この他、運営委託いただいている園が3園、コンサルティングしている保育園が7園あります。ご存知の通り、このところ国内の労働人口が減ってきていて、これをどうやって埋めるのか? という課題があります。

 

 私たちの生活を見回しても、居酒屋に行けば中国の方が勤められていたり、コンビニもそういう方が多いですよね。どうしても足りない労働力を、海外の方やご年配の方に頼る方向にありますが、私は一番は女性の方たちだと思うんです。女性は幅が広いし、視野が広いんです。女性の労働力はとても大事だと思うんです。こうした背景からか、2005年以降、保育施設を作りたいという企業からの相談がどんどん増えています。

 

 2006年より加古川のサロンは神戸製鋼所の企業内保育施施設として提携させていただいています。今後、加古川ではタクシーでの送迎サービスを予定しております。まず、神戸製鋼所の社宅にチャイルドハートから先生がうかがって、お子さんをお預かりするというサービスです。それ以外にも神戸市の三聖病院では院内保育園を受託したり、4月にも岡山県に企業内保育園を新設する予定です。

 

―――順調にビジネス展開が進むことで、木田さんがやりたいと思った保育を行うことが難しくなったりしませんか?


木田

私がいなくても、保育の“質”を向上させる方法を考えるようにしています。


 ウェブカメラもそうです。これはその当時(2001年ごろ)、園長による園児への虐待や、不十分な管理体制のために死亡事故が起きるといった、保育園内での事件が多かったこともあって、設置を決めました。その場合も園児のプライバシーを守りながら見る事ができる工夫をしています。

 

 また、無記名のアンケートを取っていて、先生の質をチェックしたり、フリーアンサーにも書き込んでいただき、フィードバックして、改善できる点はすべて改善していくようにしています。また、先生自身にも自分をチェックしてもらっています。

どこができているとか、できてないとかを毎月出してもらうことにしています。
質を追求するには、必ずなにかあるだろうと考え、とにかく質の向上を心がけています。

 

 

後編では、夢を追い続ける木田さんが、フューチャラボラトリとの接点について、そしてこれからの大きな夢について語ります。