第二回 竹林一氏 歩けば、自分のビジネスが見えてくる!!ビジネス、そして経営をデザインする、とは?(3)

フューチャーラボラトリとの出会い

有識者の方々にフューチャーラボラトリを掘り下げていただく「フューチャーラボラトリ解剖学」。
引き続き、グーパスをキーワードに当時オムロン株式会社だった竹林一氏と橋本の出会いから話を進めます。

橋本さんが竹林さんと出会うきっかけになったのがグーパスだと言う事ですが、そのあたりの経緯をお聞かせください。

 

橋本

 当時、オムロンの副社長だった市原達朗氏を存じておりました。
私はもともと関西がベースでしたので、グーパスについては知っていました。

 

 それでその市原さんから、オムロンが仕掛けているという事を聞きまして、これはぜひ、仕掛人に会ってみたいと思い、市原さんに竹林さんを紹介してもらったというわけなんです。

株式会社フューチャーラボラトリ

代表取締役社長

橋本 昌隆

 


竹林

橋本さんとお会いして、仕事ベースというよりも、お互いに人生でやりたい事があって、社会をよくしたい、という共通点を感じましたね。

 

橋本

最初にお目にかかって、まず、あっけにとられましたね。
オムロンのイメージが完全にひっくり返りました。
グーパスのウラにはこんだけアイデア山盛りだったという事、そして、竹林さんの実行力に感動しました。なにしろ世間がiモードに食いつきはじめたばかりの頃で、ああいうビジネスをやっていたというのに驚かされました。

 

―――具体的にグーパスのどの辺が凄いと思ったのですか?

 

橋本

 なんといってもマーケティングが優れています。
どうやって最適な広告を届けるか、グーパスはシンプルに実現しているんですね。こういう事は理論的にはわかっていても、その仕掛けをちゃんとやっている人はきわめて少なかった。それをフックにしているのが自動改札というのには本当にびっくりしたんです。自動改札を使おうなんて思いつく人がいるとはという事でね。コーヒーショップの話もインパクトありましたし、マンションが売れた話には本当にびっくりしました。

 

竹林

 自動改札は非接触カードになると部品が少なくて済むんです。
で、後はデータ。データの活用を提案できるのはオムロンだけでしたので。


 それで自動改札に対する視点を逆転してみたんですね。自動改札が街のひとつの接点だとして、駅を鉄道への入り口ではなく、街に出る街へのゲートだと考えたわけです。そして、自動改札をただの検札機械ではなく、駅員さんの仕事をこなすロボットだという視点から、自動改札の価値を考え直したんです。グーパスからお客様にメールを出しますと返事を返してくれる人がいっぱいいるんです。

 

 定期券から性別がわかるんですが、特に女性の方がメールを返してくれます。お気に入りの店を紹介してほしいとか、 中には出会いから別れまでの恋バナを書いてくる人までいて、それに毎回、返事を書いているとメル友になっちゃうので、二回までで止めろとかね(笑)。仮想ペットと同じ感覚なんですよね。

 

―――PiTaPaとの連携も素晴らしいですね。こういうところに関西の方の考え方の柔軟さを感じますね

 

竹林

   関西ではお客さんがすごいんですね。関東はカードに初乗料金分がないと改札が通れませんが、関西では10円でも残っていたら乗れるんです。関西ではお金があるのになんでのれへんねんみたいな苦情がやってきます。関西にはたまにハッとさせられる事がありますね。

 

 ちょっと前に、東京が勝ち組で、関西が負け組、という話がありました。それで僕は勝ち負けでなく、おもろいおもろくないで考えませんか? と提案した事がありました。それである方が、日本の中心は東京で、アジアの中心は大阪や、と。このドメインをかえてしまうという発想は面白いですね。橋本さんのように、こういうビジネスを立ち上げている人がいるとかね。